あぐりいといがわの「いちのまい」は、新潟県を代表する品種「コシヒカリ」です。
コシヒカリの最大の特徴のひとつが「強い粘り」です。この粘りが、炊きたてはもちろん、冷めてもパサパサにならずに、お弁当やおにぎりにも合うといわれる理由のひとつです。
ところが、この最大の特徴が思わぬ弱点となることがあります。それはズバリ「加熱調理」です。お家でつくる炒飯などは、お店のようにパラパラとした食感にならずご飯がくっついてしまう、という経験は少なからず皆さんお持ちではないでしょうか。
リゾットも同様で、お取引のあるイタリアンのお店ではリゾットには専用のお米か別の品種のお米をお使いでした。しかし、「せっかくの美味しいお米をリゾットにも使いたい!」とお店でのレシピを改良、お家でもできる調理方法としてお教えいただきました。今回はプロ直伝の、しっかりと粒を感じられるリゾットの作り方を紹介します。コツは「オイルコーティング」と「熱湯」です。
今回、紹介するのは「ぶどうとチーズのリゾット」です。材料は以下の通りです。
- 米・・・・・・・・・・・200g(概ね2人分)
- 玉ねぎ・・・・・・・・・適量
- ぶどう・・・・・・・・・適量
- パルメザンチーズ・・・・大さじ2
- 無塩バター・・・・・・・10g
- 安い白ワイン・・・・・・大さじ1
- カマンベールチーズ・・・適量
- オリーブオイル・・・・・適量
- 黒胡椒・・・・・・・・・適量
今回は米500g(約4人分)で調理しました。
① みじん切りした玉ねぎをオリーブオイルでしんなりするまで中火で炒める 。

量が多いので最初はフライパンで。(最初から鍋でもOKです。)
玉ねぎは甘みを出すものなので形がなくなってもOKです。焦げないように注意。
② ①の鍋に米を洗わずに入れ、オリーブオイルで透明かつ熱くなるまで炒める。
玉ねぎがしんなりしたら、お米をいれます。
ここがひとつめのポイント、「オイルコーティング」です。
米にオイルを含ませることで、余計な水分が吸収されず米の煮崩れを防げます。
オイルの量は米全体にオイルの色がつく程度まで、少しずつ足していきます。
わかりずらいですが、透明になりました。
米が透明になるのはオイルが十分に含まれた証しで、かつ熱くすることにより水分の吸収時間が短縮されます。
③ 白ワインで香りつけ
焦げつきを防ぐため厚手の鍋に移し替えました。(最初から鍋でもOKです。)
④ 沸騰したお湯(180cc)を加え、ひたひたになるまで中火で加熱する。
米の量に比例して熱湯を増やしてください。(今回は450cc入れました。)
蓋をせずに「ひたひた」になるまで炊いて(米に水分を吸わせて)いきます。
この程度が「ひたひた」の状態です。
⑤ 蓋をしてごく弱火で加熱。表面に水気がなくなったら一度混ぜる(ひっくり返す)。
蓋をしてごく弱火で加熱。ここが一番焦げやすいです。火加減が重要です。
表面に水気がなくなりました。
焦げつきを防ぐため、一度ひっくり返します。ここで水気がなければ⑥は省略しても大丈夫です。
⑥ 水気が残っている場合はさらに蓋をして水気がなくなるまでごく弱火で加熱する。
作り置きも可能です。
ここまできたら、8割完成です。
ここで、ひとつ裏技?を紹介します。
ここまでの手順(8割完成)が終わったら、冷凍保存が可能です。作り置きしておきたい場合に便利です。
作り置きする場合は、米の量を3倍にしたら、④で使う熱湯も3倍にしてください。⑥までの手順のあと、広げて粗熱をとり、小分けしてラップに包み冷凍庫へ。
使う際にはレンジで解凍後、⑦の手順からスタートしてください。
⑦ 沸騰したお湯(コンソメスープでもよい)を2/3カップ加え、中火で炊いていく。
ここがふたつめのポイント「熱湯」です。温度が低いと米が糊状になりやすいです。
かき混ぜ過ぎると粘りが出るので、優しくそ~っと馴染ませて、あとはあまり触らない。
⑧ 足した水分を米が吸いきったら、また熱湯を足していく。いい感じの固さになるまでこれを繰り返す。
熱湯は少しずつ足していきます。
米の芯がギリギリ無くなった固さ(アルデンテ)が頃合いです。粒感がしっかりと残っています。
⑨ バター、チーズ、ぶどうを入れて美味しく仕上げる。
バターとチーズは、水分を少し残した状態でいれます。
パルメザンチーズは、味見をしながらお好みの量に加減してください。
最後は火を止めて、鍋を横にしても流れない程度まで混ぜます。
⑩ サイコロ状にカットしたカマンベールチーズと黒胡椒(お好みで塩)を加えて完成です。
完成!!美味しそうです。
家庭用コンロの火力では少々時間がかかりますが、得も言われぬ芳香に包まれながらお預けを食うのも、美味しくいただくコツのひとつではないでしょうか(笑)。
最後に、「試してみたいけど失敗しそうで、ちょっと不安」という方に、シェフからの金言を。「『料理は愛情!』でなんとかなる」そうです。
この機会にぜひ、お試しください。
監修:両国レガート オーナーシェフ 宮内洋さん