あぐり通信 Vol.06(2024.06.15)

あぐり通信 Vol.06(2024.06.15)

今年の田植えも無事完遂(ホッ)

米どころ新潟。毎年、春の恒例といえば「田植え」ですね。5月に入り、糸魚川の田んぼでも一斉に田植えが始まりました。今年、あぐりいといがわが植えたお米は5品種。コシヒカリ(いちのまい)を筆頭に、つきあかり、こがねもち(もち米)と酒米の五百万石、たかね錦です。田植えの総面積は東京ドームおよそ4個分の20ヘクタール。4月のすじまきから田植え完了まで、約2ヶ月。ビニールハウスで大事に育てた稲の苗は水田へと巣立っていきました。「我が子の巣立ち」と考えれば、2ヶ月なんて短いものですね()。私たちが稲をそだてる田んぼの多くは糸魚川市の市街地から車で30分ほどの「市野々集落」にあります。そこは、暮らす人がわずか2人の、いわゆる限界集落。そこで私たちが美味しいお米を育て、皆さまに食べていただき、それを糧にまたお米を作り続けることができれば、私たちのモットーである「いのちとこの地をおいしくはぐくむ」を叶える幸福サイクルが生まれます。今年の田植えは米主さんや市内の保育園生たちにもお手伝いいただきました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございます!田植え体験の舞台は、もちろんこの市野々集落。米づくりを通して、市内市外あらゆる場所のあらゆる方々が、市野々集落に足を運んでくださり、集落のことや私たちのことを知ってくださること、このうえなく嬉しいです。今は高さ15センチほどの稲も秋にはたわわに穂をつけて、皆様へとお届けできることでしょう。田植え体験に参加してくださった方はご自身で植えたお米が食べられるかも。今年も収穫まで責任を持って育てあげますので、収穫の知らせを首を長くしてお待ちください!


終わったーー!!


ようこそ市野々へ!

わたしたちにとって、特別な場所である市野々集落。ここ数年で、たくさんの方に足を運んで頂くご縁を得られたことを大変うれしく感じております。毎年恒例の田植えイベントに米主の皆さま、お手伝いをしながら旅をする「おてつたび」、そして今年は新たに聖学院中学校3年生、市内保育園の年長さんとたくさんの方にお越しいただきました。聖学院中学校と糸魚川市は、農村体験学習の受け入れ先として今年で39年目という長いお付き合いがあるそうです。もともとは市内の農家さん宅へ生徒数名が分泊し、農作業や生活の知恵を学ぶという学習内容でしたが、コロナ禍をきっかけに、市内の農業法人が受け入れ先となり、農作業について学ぶという活動内容に変わってきたそうです。今回の受け入れでは二日間で計38名、畑から石を取り除く作業や草刈り、私たちのトマト栽培に欠かせないもみ殻(くん炭の原料。あぐり通信Vol.02参照)集めといった作業を行いました。わたしたちには日常の作業でも、どこかなつかしさを感じる市野々の風景や流れる水の音、鳥やカエルの声、そして、空気の匂いが感じられる環境で行う作業は、生徒たちにとっては非日常の空間で行う特別な作業になったようでした。


聖学院の生徒たち。楽しそうで何より!


保育園の年長さんを迎えて行った田植え体験は、子どもたちが田植え機を操作して苗を植えたり、待ち時間にいろいろな生き物を探し回ったり……元気で愛らしい子どもたちの声が市野々に響き渡り大盛り上がり!。今回の田植え体験は、スタッフの末っ子ちゃんが通う保育園の園長先生からの相談がきっかけでした。「食の細い年長さん。お米の栽培に触れることで食への関心を高めて、もっとたくさん食べられるようになってほしい……田植え体験、できん?」と。その入り口である田植えを無事に終えた今、稲の生育や稲刈り作業、とれたてのお米で作るおにぎりの美味しさ、そして「いただきます」「ごちそうさま」を、未来の糸魚川を支える子どもたちと共有していければと考えています。

今回訪れた聖学院の生徒や保育園の子どもたちが、将来、農業を志し、欲を言えば糸魚川で農業に携わり、食料自給率の向上に努めながら自立した暮らしを送ってくれたら……持続可能な農業社会の実現に近づくと信じています。また、「おてつたび」で来てくれた大学生の「ふるさとの存在に希望をもらっている人たちの頑張りが日本を支えている気がする。地方集落が人の心に与える影響はきっと小さくはない」という言葉は、私たちが掲げる「いのちとこの地をおいしくはぐくむ」へのアンサーだと感じられるものでした。私たちが市野々で米を作り続けることが、私たちを育ててくれた糸魚川への、本当の意味での恩返しになる……それが私たち「あぐりいといがわ」の、日々の活動のエネルギーです。


米チーム。なぜかドヤ顔(笑)


編集後記

6月の糸魚川。ここ数日、急に暑くなりました(最近の地球は人間にスパルタですよね)。この暑さを乗り越えるべく私が実践中なのが、保冷剤を包んだ冷えっひえタオルの装備、こまめな水分&塩分チャージ、UⅤカットの長袖エアリズム着用。そして、よく寝てよく食べること!。21時にはベッドの中、朝の6時まで寝ます。幼稚園生並みの生活リズムです。これでこの夏を生き延びてみせますよ〜。皆さんも暑い所はなるべく避けて、命を大切に過ごしてください!(松澤)