あぐり通信 Vol.07(2024.07.12)

あぐり通信 Vol.07(2024.07.12)


あぐりの「旬」をお届け!

時期を問わず手に入るタマネギ、ニンジン、ジャガイモ。わが家でもカレーやシチュー、夕飯の定番メニューのために常備してありますが、これらの野菜は果たして「一年中栽培されている」のでしょうか。いえ、決してそうではありません。これらの野菜は地域単位で必ず収穫期、すなわち「旬」があります。日本全国、生産者さんたちがそれぞれの産地で、地域の気候に沿った栽培をすることで、一年中栽培されているかのような「長い期間の旬」が実現されているのだと思います。そして、徹底された保管管理や物流のしくみがあることで、「一年中手に入る」という離れ業がなされているのでしょう。ここからは、「わたしたちの旬」について紹介します。わたしたちは、昨年から「野菜チャレンジ」と称し、野菜の少量多品目栽培に挑戦しています。今年はじめて挑戦したソラマメは、無事に収穫を迎えることができましたが、その収穫期間は2週間。極めて短いものでした。まだ雪が舞う3月に種まき、春らしくなった4月8日に苗植え、その後はネットやキラキラテープで虫除け、成長にあわせてネット撤去や風による倒伏対策など、様々な手間をかけて迎えた6月13日の初収穫。ホッとしたのもつかの間、6月28日にはすべての収穫が終了。ソラマメの栽培は、わたしに「旬の尊さと儚さ」を強く感じさせる出来事となりました。日本には、たくさんの野菜産地があります。それぞれの場所における「旬」が重なりつながることで、私たちの食が支えられていると、自らの経験で想像することができました。ここでひとつ嬉しいお話。先日、わたしたちが栽培したトマトとズッキーニを市内小中学校の給食で使っていただきました。わたしたちが栽培した食べ物が地元の子どもたちの元気の源になる。作り手としてこのうえない喜びです。引き続き、わたしたちの旬を糸魚川のみなさんに、そしてファンの皆さまにしっかりとお届けできるよう励んでまいります。


収穫と出荷を迎えられてひと安心のソラマメ


美味しさの決め手は「金線」

夏野菜の定番、トマト。みなさんがトマトを買われるときの決め手はなんですか?。色、大きさ……ぜひここを見てください。果実のお尻の部分から放射線状にのびる「金線(スターマーク)」です。はっきりと現れているものほど美味しいと言われています。あぐりのトマトはほとんど、このスターマークが現れています(ナント!)。お店に並ぶほとんどのトマトは実が青いうちに収穫、流通過程で赤く色づくのが一般的と言われるなか、あぐりのトマトは樹上で赤く熟してから収穫するのがこだわり。産地直送だからこそ実現できるこのこだわりも、美味しさの決め手の一つです。「酸味が嫌い」といわれることが多いトマトですが、真っ赤に熟し、甘みの証しであるスターマークのついたトマトを一度食べたら、苦手な方でも好きになること間違いなしです!。「まるかじりが一番おいしい!」との声が多いあぐりのトマト。そのまんまでほっぺたが落ちるほど美味しいトマトをもっと美味しく食べるにはどうしたらよいか、創作レシピを考え中です。焼く、煮る、干す、どんな調理でも美味しく食べられる「樹熟金線トマト」のポテンシャルを存分に活かして、皆様を「口福」にしたい。これからの活動もご期待ください。猛烈に暑いこの夏は、美味しい旬のトマトを食べて乗り切りましょう!


金線(スターマーク)がくっきり!


ぶどうの「摘粒」とは

ぶどうの摘粒(てきりゅう)。粒を間引いて粒が大きくなれる隙間をつくります。巨峰などの大粒ぶどうには必須の作業です。ぶどうは、色づき始める頃に粒が最も肥大しますが、その前に十分な隙間をつくってあげないと、粒同士が押し合って実がつぶれてしまったり、軸から裂けてしまうことも。一房あたり大体3035粒で仕上げますが、摘粒前はなんと5070粒ほど。ほぼ半分にまで一粒ずつハサミで切り落としていきます。割と簡単そうですが、必要なのは想像力。大きくなった粒が隙間をきれいに埋めた美しい房をイメージしながら、隙間の大きさや粒を残す場所を決めていくのです。しかも何百房、何千房と。また、驚くほど早く大きくなる粒。時間との勝負もあります。内側にある粒、形の悪い粒、切り落とす粒は比較的分かりやすいのですが、それらを全部抜いたらぽっかりと穴が開いてしまう、まるでパズルのよう。手間がかかり、集中力と根気と経験が必要な作業、そして見栄えを左右する摘粒は、とても神経をすり減らすので私はちょっと苦手……。何年やっても納得のいく出来にはならず、うめき声をあげながら房と格闘しています。


摘粒後。さあ何点(笑)


編集後記

強烈な日差しが容赦なく照りつけ、連日の30℃超え。歩いただけでも汗がぽたぽた流れる毎日。水分補給、睡眠、バランスの良い食事など、体調を崩さないよう普段以上に気を配っているつもりでも、そうめん、トマト、酢の物……つい冷たくさっぱりしたものばかり口にしてしまいます。まだまだ続く猛暑、夏バテしないように乗り切りたいです。(岩﨑)