あぐり通信 Vol.10(2024.10.08)

あぐり通信 Vol.10(2024.10.08)


農家アニキたち、感動(涙)

私たちの活動に感化されて、農業について学ぶ留学を決意した高校生のお話を聴いてきました。お話の内容は、留学のテーマに農業を選んだ理由、留学先で学ぶこと、帰国後に成し遂げたいことでした。とても熱意を感じるお話で「すごいな。かっこいいな。」と感心しきりで聴かせていただきました。あぐりいといがわの農家アニキたちはその内容はもちろんのこと、「明日、ぜひ話を聴きに来てください!」とキラキラした目で堂々と自己アピールできる若者にリスペクトを感じました。自分の夢を実現するプロセスを自ら具体化し、海外に向かって、かつ行政機関に向かってチャレンジして行く姿勢に感銘を受けました。お話を聴いて、思わず涙が出そうになりました(その場では漢気でぐっと堪えました)。農業は地味な作業が多く、あまり華やかな仕事ではないと思うこともありますが、こんな風に若者の何かのきっかけになったりすることもあるんだなぁと、心がじんわりと温まりました。あぐりいといがわでは田植えや稲刈り体験を開催したり、色々な方を対象に農作業体験の受け入れをさせていただいています。これらの体験を通して、農業に関わったことのない人にも関心を持ってもらえるきっかけを作れたらいいなと思っています。農業に関わりたいという学生の参加者さんについても、農業従事者にならずとも、自分の夢を実現してくれれば良いなぁと思います。どんな将来になっても、どこかで経験を活かしてもらえたら嬉しいです。農業体験、ご興味ある方はお気軽にご連絡ください!いつでもお待ちしております。


アニキたちを魅了する高校生。素敵な女の子です。


種まき前のひと工夫

種まき後の家庭菜園。雑草管理に困ったことはありませんか?できれば雑草の心配をしないで、おいしい野菜を育てたいですよね。そこで、種まき前のひと工夫で雑草管理をほとんどせずに野菜を育てられる方法を紹介します。どうして雑草管理しなくていいの?除草剤でも使うの?……疑問の声が聞こえてきそうですが、薬剤等は一切使わない安心な方法。太陽熱土壌消毒や太陽熱養生処理と呼ばれる方法で、水をたっぷり含んだ畝を透明マルチ(透明のポリエチレンフィルム)で覆うだけという、いたってシンプルなものです。一番大切なポイントは太陽の日差しが強い時期に一カ月程度その状態を保持するということ。土に含まれる雑草の種は、透明マルチを通過した日光で発芽します。マルチで覆われた内部の土壌温度は60℃にもなり、発芽した雑草はその熱で枯れ、分解されて土にかえります。新たな雑草が生えてこないことが確認できれば、いよいよ種まき。種まき後は雑草がほとんど生えることなく安心して栽培ができるというわけです。ちなみに、この処理の本来の目的と効果は、土壌中の病原菌や土壌昆虫を死滅もしくは密度を低減する、さらには土壌の団粒形成を促進し植物の根張りをよくすることが期待できるもので、植物が持つ生命力を最大限に引き出しつつ、健全な状態で野菜を育てることができるものとされております。そして、ダイコンやニンジンといった根菜栽培と相性が良く抜群の効果を示します。市野々の畑でお盆明けに種をまいたダイコンがそろそろ収穫適期をむかえます。そのおいしさを多くの皆さまに味わっていただけたらとてもうれしいです。


マルチ内部で蒸発と結露が繰り返される。


建設人から見た農業は……

あぐりいといがわのグループ会社である谷村建設。建設業の知恵や工夫を駆使して様々なものを造ったり直したりしてくれます。今夏、ぶどう園と市野々で工事を担当してくれた土木部の日馬さん。農業には縁遠いという彼の目に、私たちの仕事はどう映ったのか。「幼い頃のぶどう狩りの記憶。高くて手が届かない、取りにくい、見にくい。久々に訪れたぶどう畑で腰の高さほどの位置に育つぶどうを見て、これなら楽ちん!と正直驚きました。房を袋で包み、芽かきや誘引、間引きなどの作業を目の当たりにして、樹を植えたらそのまま自然に育つと思っていたぶどうが簡単に育つものではないと知り、栽培の大変さを学びました。田んぼの修繕で初めて訪れた市野々では、山奥に広がる田んぼ、獣との遭遇と隣り合わせの環境で作業されていることに驚き、作業量と自然相手故のギャンブル的要素の多さに苦労を感じました。また機械化が進んだとは言え、機械に勝る人の目と手作業の重要性も理解できました。毎日当たり前に食べているごはんでしたが、米をつくる皆様に感謝しながらごはんをいただいています。機会があれば農作業を体験したい!」グループ会社とはいえ、多くはない交流の機会。私たちの仕事に何かを感じてくれたことがとても嬉しく感じられます。今度は私たちが建設現場を見学に……きっと、彼らへのリスペクトが深まることでしょう。


真夏の暑さのなか、頑張っていただきました!


編集後記

夏の暑さが嘘のように朝晩は肌寒くなった10月。早くもストーブが恋しい季節になりました(さすがにまだ早いと笑われました)。9月下旬に始まった市野々での稲刈りは雨続きではかどらず……雪が降るまでに終わるのかと、ちょっと心配です。それでも皆さまに新米をお届けできたことに胸を撫で下ろしています。新米の香りと甘み、ぜひお楽しみください。(沢田)