あぐり通信 Vol.25(2026.01.15)

あぐり通信 Vol.25(2026.01.15)

続ける、進む――丙午の年に――

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
今号で25号を迎える「あぐり通信」。毎月1回の発行を続け、おかげさまで2年間継続することができました。折に触れて届く「楽しく読んでいますよ」という声が、私たちの何よりの原動力です。
「あぐり通信」は、担当するスタッフそれぞれの想いから生まれています。
生成AIを駆使して完成度の高い原稿を仕上げてくる者。ネタが思いつかずうんうん唸り続ける者。鬼編集長の容赦ない赤ペンに震えあがりながらも、毎号、それぞれの想いを表現してきました。続けるほどにネタ切れも迫りますが、それは同時に、着眼力や発想力を磨く良い機会でもあります。クリエイティブな農業を目指す私たちには欠かすことができない資質です。

さて、2026年は勢いや活力を象徴するとされる「丙午(ひのえうま)」の年です。気力も体力も充実した若手スタッフと、身体のあちこちに年季が入り始めた(口のほうは相変わらず元気)シニアスタッフ。それぞれの持ち味を生かし、よいバランスを取りながら、この一年を実り多い年にしていきたいと考えています。

私たちが大切にしている「いのちとこの地をおいしくはぐむ」という理念の実現には、依然として、厳しい実社会の現実が立ちはだかっています。

それでも、理想は手放さず、現実は見失わず。

作物の安定生産、という重要な課題の解決に向けて、勢いと情熱を忘れずに、足元を確かめながら前へと進んでまいります。本年も変わらぬご愛顧と、より一層のお力添えを賜りますよう、お願いいたします。

勢い余って「暴れ馬」とならないよう、どなたか手綱さばきに立候補を……。

冬の市野々らしい景色で新年の幕開け


もみ殻で始まる口福循環

米づくりの副産物「もみ殻」。
あぐりいといがわでは、トマト栽培を支える大切な資材として活用しています。炭状にしたもみ殻(くん炭)をトマトを育てる土がわりに使用しているのです。
くん炭機で焼き上がった新しいくん炭と、トマトを育てたあとの使い古したくん炭を入れ替える作業は、冬の間の大切な仕事です。延長約900mの総入れ替えは、手間も時間もかかりますが、毎年行う必要があります。理由は簡単。同じ土でトマトを育て続けると上手に育たない(連作障害)というトマトの弱点を避けるためです。
栽培に適した良質な土を毎年大量に入手するのは大変ですが、毎年好きなだけ入手できるもみ殻を利用すれば、もみ殻の処分にかかるコストも抑えつつ、連作障害も回避できる。まさに循環型農業の実践です。

この循環は栽培だけにとどまりません。「食べる」以外の使い道を与えられた米づくりは、良質なトマトづくりを支え、それを口にした皆さまの新しい笑顔へと繋がります。「いちのまい」は、そんな口福な循環を生み出してくれる大切な相棒です。そして何より、この通信を読んでいただいている皆さま、数あるお米のなかから「いちのまい」を見つけ出し、口にしてくださった皆さまのおかげです。心から、ありがとうございます。
これからも皆さまとのご縁を大切に、口福サイクルを生み出し続けます。

では、本日も張り切って、くん炭の入れ替えに行ってきます!

人力でくん炭出し。地道な作業です(汗)


18年の功績、そしてバトンタッチ

「もみ殻で始まる口福循環」でお話ししたくん炭は、専用のくん炭機でつくっています。冬から春にかけて約4か月の間、ほぼ休むことなく炭を生み出してきました。

2025年冬。18年目にして、くん炭機の老朽化が限界を迎えました。
煙突や蓋など、至るところに穴があき、上手に炭を焼けなくなったのです。生焼けのもみ殻が目立つようになり、そのくん炭で育てられたトマトや野菜の生育が芳しくなくなってきました。炭の状態が、作物の生育に影響を与えることに気づかされました。
炭の色や軽さ、手で握ったときの崩れ方。焼き上がったくん炭を前にすると、その出来は一目でわかります。以前は当たり前だった炭が、いつの間にか茶色がかり、匂いも気になるようになっていました。毎年同じように作ってきたからこそ、その変化が見過ごせませんでした。

そこで、18年間の功績に敬意を表しつつ、入れ替えを決断。シルバーがまぶしい新品の到着に、担当スタッフから笑顔がこぼれました。一回り大きくなったボディと付属の送風機で作業時間が短縮され、火付きや燃焼効率があがった効果で、焼きムラのない良質な炭へと仕上がります。トマト担当のスタッフも一安心。使い勝手を探りながらの作業ではありますが、春からのトマトづくりも安心して始められそうです。
(くん炭を使ったトマト栽培はHPの読み物「トマトの育て方」に掲載しています。あわせてご覧ください。)

頼りになる新しい相棒


編集後記

我が家の正月は箱根駅伝。テレビの前から離れない正月を40年弱続けた結果、ルールすら知らなかった家族まで、「青好かん」と言いながら優勝特番まで完全視聴(笑)。すっかりその虜です。残念ながら推しの2校はふるわずでしたが、歯を食いしばり走る凛とした学生たちの姿に、今年も心が揺れました。(青木)

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